東京・六本木の国立新美術館にて、2009年9月25日(金)~12月14日(月)の期間中、日本とオーストリア・ハンガリー二重帝国(当時)の国交140年を記念し「THE ハプスブルク」が開催される。
この展覧会は、ウィーン美術史美術館(オーストリア)とブダペスト国立西洋美術館(ハンガリー)の所蔵品からハプスブルク家ゆかりの名品を核に選りすぐり、絵画の至宝75点に華麗な工芸品や武具を加えた、計約120点を展覧する大規模な美術展。
13世紀に勃興して20世紀初頭までヨーロッパに君臨したハプスブルク家は、巧みな結婚政策によって勢力を拡大し、神聖ローマ皇帝も数多く輩出した名門王家である。そして、同家の歴代の王たちは優れた審美眼と熱意をもって芸術保護をすすめ、膨大かつ質の高いコレクションを形成した。それら数々の美術品は、同家の威光を示す豪華絢爛さだけでなく、歴史的意義や学術的な質の高さという点でも特筆に値するものとなっている。
今回会場には、ハプスブルク家ゆかりの画家たちのみならず、クラナッハ、ラファエッロ、エル・グレコ、ゴヤなども含む総勢52人もの巨匠たちによる逸品が集結される。さらに今回の目玉として特別出品される、明治天皇からオーストリア・ハンガリー二重帝国(当時)の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世に贈られた画帖と蒔絵棚は、国交樹立140周年を記念して初めて“里帰り”するものであり、両国との友好の歴史を象徴する貴重な美術品として必見だ。
イタリア絵画、オランダ・フランドル絵画、ドイツ絵画、スペイン絵画の傑作から、工芸品や彫刻、武具まで、16世紀から18世紀にかけての西洋美術の系譜と真髄をたどる絶好の機会となるだろう。