ブリヂストン美術館 コレクション展示「美の饗宴―東西の巨匠たち」

　ブリヂストン美術館において、2010年1月26日（火）～4月11日（日）の期間中、コレクション展示「美の饗宴―東西の巨匠たち」が開催される。

 

　この展覧会は、19世紀後半からさかんになった、日本と西洋の画家が互いに影響し合った時の様子を紹介するもの。豊富な石橋財団コレクションのなかから、テーマに沿った選りすぐりの作品が展示されるほか、姉妹館の石橋美術館からの借用作品も加わり、通常のコレクション展示では見られない作品も多く目にすることができる。

 

　明治維新以降の日本洋画は、西洋の技法やスタイルを学んで急速な発展を遂げていた。その一方、19世紀後半の西洋では、日本美術から大きな影響を受けて、それまでにはなかった日本的な要素を取り入れた“ジャポニスム”が流行していた。ヨーロッパの伝統的な表現に行き詰まりを感じている西洋の画家達にとっては、日本の浮世絵などの奇抜な構図や陰影のない平坦な画面が新鮮に写ったのだろう。日本の絵画表現を取り入れた作品が多く制作された。

 

　そして、そんな“ジャポニスム”が流行中の西洋へ留学した日本人画家は、帰国後に日本的な感性や表現方法を西洋の技法の中にうまく融合させ、油彩画を成熟させていく。東西の複雑な美術交流が生んだ、この時代独特の空気を楽しんで観覧してみたい。

 

　なお、開催期間中には、「土曜講座」ほか、ギャラリートークなど各種関連イベントが開催予定。

 

 

 

 

― コレクション展示「美の饗宴―東西の巨匠たち」　概要 ―

 

【会期】2010年1月26日（火）～4月11日（日）
【会場】
ブリジストン美術館
〒104-0031　東京都中央区京橋1丁目10番1号
03.5777.8600（ハローダイヤル）
【開館時間】
10:00～20:00、日・祝休日/10:00～18:00（入館はいずれも閉館の30分前まで）
※休館日は毎週月曜日（祝休日の場合は開館、翌日休館）
【観覧料】
一般800円、シニア（65歳以上）600円、大高生500円、中学生以下無料
【関連企画】
■土曜講座「変貌する時代と美術―東西の巨匠たちの軌跡」
時間：14:00～16:00
会場：ブリヂストン美術館ホール
聴講料：各400円
開催日程：2010年3月13日、3月20日、3月27日、4月3日(全4回)
定員：130名（先着順）
内容：
・3月13日（土）
「揺らぐ近代画家たち—日本画と洋画のはざまで」
古田亮 氏（東京藝術大学大学美術館准教授）
・3月20日（土）
「エコール・ド・パリとその背景にあるもの」
千足伸行 氏（成城大学教授）
・3月27日（土）
「1900年の浅井忠と黒田清輝—正岡子規『ラムプの影』の時代」
荒屋鋪透 氏（ポーラ美術館学芸部長）
・4月3日（土）
「何故ジャポニスムは生まれたのか」
馬渕明子 氏（日本女子大学教授）
※ 聴講券はブリヂストン美術館チケット窓口にて販売中。定員になり次第、締め切りとなります。
※ 講演内容の変更、あるいは中止の可能性があります。
※ 詳細は、公式ページ（http://www.bridgestone-museum.gr.jp/）にて。

■ギャラリートーク：美術館学芸員による展示作品解説
日時：毎週水曜日・金曜日15:00～16:00
会場：展示室