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妥協を許さない、老舗のものづくり
 
注目すべきゼニアのス・ミズーラシューズ

 ゼニアと聞いて誰もが思いつくのが、上質なファブリックを用いて美しく仕立てられたスーツやジャケットのイメージだろう。しかし今、ゼニアのラインナップで見過ごせない存在になってきたのが、2003年の秋冬から本格的に参入したシューズコレクションだ。2005年からは、ス・ミズーラでの展開が始まり、国内では銀座路面店で自分のオリジナルシューズをオーダーすることができる。

老舗と呼ばれるメゾンが数ある中で、受け継いだ伝統を新たな分野への原動力とするエルメネジルド ゼニアの試みに迫る。

伝統に裏打ちされた「最高の着心地」

 ご存知の方も多いだろうが、ス・ミズーラとはイタリア語で「あなたのサイズに合わせて」という意味があり、クラシックなスタイルをベースに自分に合わせて誂えることができるパターンオーダーのシステムである。中でもゼニアのス・ミズーラはその最高峰に位置している。言うなれば、既製服が本来兼ね備えている美しさはそのままに、一人ひとりのシルエットやフィット感など、個性を表現することができるオーダーメイドだ。

1910年に創業以来、継続して培われてきたファブリックの研究と開発によって、素材が持つ特性にあったデザインや縫製を施すことの出来るノウハウと熟練された既製服作りの技術を蓄えてきた。



 その最大の魅力である柔らかなファブリック生産工程においては、原毛の買い付けから生産、販売に至るまで、全ての工程を自社で一貫して行う「垂直統合システム」を採用しているという。また、そのこだわりは最高の原毛を安定的に供給する為のサポートにも及ぶ。各種トロフィー制度を設けることで、毎年素材毎に、最高レベルの品質を実現したブリーダーに対してトロフィーを授与し、その原毛を独占的に買い付ける仕組みを作り上げている。だからこそゼニアのファブリックは多くのブランドに愛され、世界中のテーラーに並べられている。

これらの徹底したこだわりが目指すもの。それはただ一つ、「最高の着心地」の実現だ。およそ一世紀にもわたる伝統の積み重ねが、袖を通したときに人々を感動させるスーツを作り上げている。


ス・ミズーラシューズの可能性

 ファブリックメーカーとして歴史に名を刻んできたゼニア。そして、新たな挑戦であるス・ミズーラシューズ作りへの取り組みにも、妥協を許さない姿勢が見える。

本格始動となった2003年にはサルヴァトーレ・フェラガモ・グループとのジョイントベンチャーを設立。靴づくりに対する技術や様々な生産施設に関してはフェラガモ社からのノウハウを積極的に活用しつつも、ゼニアとしてのトータルなスタイル提案のなかでの独自の製品デザインを築いている。



 ス・ミズーラシューズのモデルは7種類から選ぶことができる。丁寧な採寸をもとにマスターシューズをフィッティング。そしてサイズが決まると、一番の楽しみは様々なカラー・素材バリエーションの中から、自分の好みに合わせて靴の表情を決めていく工程だ。表革、インナーそしてソールのカラーまで豊富に取り揃えられている。縫製に際してはゼニア独自のハイパフォーマンスグッドイヤー製法により、しっかりとした作りでありながら履き心地と歩きやすさを実現している。靴専業メーカーでないからといって、製品の本質の部分は決しておろそかにはしない。足を入れると、そんな老舗のプライドを感じることができる。

  シューズコレクションの世界展開からわずか2年でのス・ミズーラシューズの開始は容易ではないだろう。そこには、スーツのス・ミズーラにおいて対話により最高の製品を作り続けてきたゼニアの、豊富な経験とノウハウが見事なまでに活かされている。


エルメネジルド ゼニア 銀座店
住所:東京都中央区銀座5‐6‐12
TEL:03-3575-0646
公式サイト:http://www.zegna.com/



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