BANG & OLUFSEN（バング＆オルフセン）

　 デンマークの最高級オーディオブランドBANG & OLUFSEN（バング＆オルフセン）は、1925年、2人の若きエンジニア、ピーター・バング（Peter Bang）とスヴェン・オルフセン（Sven Olufsen）が、デンマークの北西部ストルーアでラジオメーカーとして出発したことに始まる。当時としては珍しかった大きな電池なしで使用できる、電源に直結させるラジオを開発するなど、画期的な技術を駆使した製品を次々に生み出していった。

　 さらに最高のオーディオ再生を目指した彼らは、ラジオ製作にとどまることなく、ラウンドスピーカーワゴン車や映画用機器の開発もいち早く行う。そのサウンドの美しさと高い実用性の高さが評価され、当時のデンマークの映画館のスピーカーや音響設備のほとんどをバング＆オルフセンが占めていた。彼らの革新的な技術はバング＆オルフセンをデンマークだけでなく、世界中の家電業界を牽引する存在までに成長させた。そして現在では、世界トップクラス性能を誇り、特に音響の分野では他の追随を許さないブランドとなったのだ。

　 バング＆オルフセンが世界中にファンをもつ理由は、優れた技術はもちろん、他には真似できないデンマークのクラフツマンシップに裏づけされた、こだわりのデザインにある。

　 同ブランドのデザインにおいて特筆すべきことは、18点もの製品がMoMa（ニューヨーク近代美術館）のパーマネントコレクションとして展示されていること。そしてそのうち、14点が1962年からバング＆オルフセンのデザインに参加したインダストリアルデザイナー、ヤコブ・イェンセンが手掛けたものであり、バング＆オルフセンのデザイン性が今日これほどまでに評価されているのは、彼の功績によるところが大きい。さらに1965年に加わったプロダクトデザイナーであるデビッド・ルイスをはじめ数々の有名デザイナーたちとともに、同ブランドの名を不動のものとしたのだ。

　 また、その卓越したデザインを実現するためにさまざまな素材を採用し、特にアルミニウム加工技術は業界トップレベル。

　 “どの角度から見ても美しい”を追求し、配線すらもすっきりとまとめられたテレビやスピーカーは、どれもため息のでるものばかりである。