東京・京橋のINAXギャラリー2にて、2009年7月16日(木)~8月22日(土)の期間中、「山下耕平展―ケルン・現在位置―」が開催される。
この展覧会は、いま注目の若手作家・山下耕平による、同ギャラリーでは初の個展。
山下は、1983年茨城県生まれ。現在、京都市立芸術大学大学院生であり、これまでにも京都を中心に積極的な活動を見せてきた。近年は大いなる自然と対峙する“登山”をモチーフに、そこに見出せる“人の想い”や“山の神性”、そして“宇宙へと広がる壮大なイメージ”を表現する事に挑戦している。
一見、カラフルな油彩のようにも見える山下の作品。しかしよく見てみると、実は宝石の広告紙や図鑑、サッカーボールや花芯などの写真といった、様々な印刷物が小さな円形に切り抜かれ、それらが集積してかたちを成している事に気づく。
この独特な技法はコラージュといい、今回の会場には、この技法を用いた数々の作品が展示される。色とりどりの円で描き出された作品は、まるで宝石がキラキラと光っているかのような、鮮烈な印象だ。
また会場全体も、山下が演出したインスタレーション※として楽しめる構成となっている。壮大かつ幻想的な“集積の美”に挑む、みずみずしい感性と向きあう刺激的なひとときとなるだろう。
※インスタレーション:現代美術の表現手法の一つ。ある空間自体を作家の意向に沿って演出、構成。鑑賞者に空間そのものを作品として鑑賞させる。