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京都国立近代美術館「ウィリアム・ケントリッジ―歩きながら歴史を考える」
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京都国立近代美術館 「ウィリアム・ケントリッジ―歩きながら歴史を考える」

南アフリカの歴史をテーマに、詩情あふれる作品を展示

  京都国立近代美術館にて、2009年9月4日(金)~10月18日(日)の期間中、特別展「ウィリアム・ケントリッジ―歩きながら歴史を考える そしてドローイングは動き始めた……」が開催される。

 

  この展覧会は、手描きアニメーション・フィルム制作で国際的にも大きな注目を集めるアーティスト、ウィリアム・ケントリッジによる、日本においては初の個展。

 

  ケントリッジは1955年南アフリカ共和国生まれ、1980年代末から「動くドローイング」とも呼ばれる、独自の手法によるアニメーション・フィルムの制作を開始した。この「動くドローイング」とは、1枚のドローイング(木炭やパステルによる素描)を部分的に描き直しながら、映画用撮影カメラで1コマ毎に撮影しアニメーションにするという、気の遠くなるような作業から生み出されるもの。画面には描き直しの跡が堆積され、時間の厚みがそのままアニメーションに写り込んでゆく、重厚さにあふれる表現が特徴だ。

 

京都国立近代美術館「ウィリアム・ケントリッジ―歩きながら歴史を考える」

 

  そして彼の作品は南アフリカのアパルトヘイトの歴史など、自国の社会状況と痛みを色濃く反映し、またそのような政治的の奥に潜む善意と挫折、庇護と抑圧の両義性など、人間の普遍的かつ根源的問題を語り続けている。

 

  今回の会場では、ケントリッジの初期の代表作から最新作品まで、フィルムやインスタレーション3点を含む19点の映像作品と、29点の素描、64点の版画により、ケントリッジの活動の全貌を紹介。3年もの準備期間を経て実現されたというこのたびの展示は、濃密かつ新鮮な内容で、力強くメッセージを伝えてくることだろう。

 

京都国立近代美術館「ウィリアム・ケントリッジ―歩きながら歴史を考える」

 

― 【ウィリアム・ケントリッジ―歩きながら歴史を考える】 開催概要 ―


会期
2009年9月4日(金)~10月18日(日)
9:30~17:00(金曜は20:00まで開館、入館は閉館の30分前まで)

休館日
月曜日(9/21(月・祝)と10/12(月・祝)は開館、10/13(火)は休館)

会場
京都国立近代美術館3階展示室、4階コレクション・ギャラリーの一部
〒606-8344 京都市左京区岡崎円勝寺町 Tel 075-761-4111

料金
一般/当日:850円、前売:700円、団体:600円
大学生/当日:450円、前売:350円、団体:250円
※団体は20名以上
※高校生および18歳未満、心身に障害のある方と付添者1名は無料
(入館の際に証明できるものをご提示ください)
※本料金でコレクション・ギャラリーもご覧になれます。

巡回先
東京国立近代美術館2010年1月2日(土)~2月14日(日)
広島市現代美術館2010年3月13日(土)~5月9日(日)

・展覧会カタログ(2009年9月3日刊行予定)
A4版フルカラー、約200ページ、日本語・英語(完全2カ国語)

・関連イベント
ウィリアム・ケントリッジによるレクチャー/パフォーマンス
「Iamnotme,thehorseisnotmine」
日時:2009年9月4日(金)、19:00~20:00頃(開場は18:30から)
会場:京都会館第2ホール 〒606‐8342京都市左京区岡崎最勝寺町13番地
主催:京都国立近代美術館
入場無料(約700席)
問い合わせ:京都国立近代美術館