神奈川県立近代美術館 鎌倉において、2009年11月14日(土)~2010年1月24日(日)の期間中、「内藤 礼 すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している Naito Rei : Tout animal est dans le monde comme de l’ eau à l’ intérieur de l’ eau.」が開催されている。
この展覧会は、現代日本を代表するアーティストのひとり、内藤礼(1961-)の個展。鶴岡八幡宮境内に位置し、モダニズム建築としても名高い神奈川県立近代美術館の鎌倉館において、新作を中心とするインスタレーション※を行うというものだ。
内藤礼は、1980年代の後半から「地上の生と世界との連続性」をテーマに、糸や布といった繊細な素材と光や水などの自然の要素を、ひそやかな、それでいて確かな存在感を放つ作品に昇華させてきた。作品と、それらが置かれた空間が、静かで神秘的な響き合いを見せる独自のスタイルは、いま国内外で高い評価を受けている。
今回の会場では、鑑賞の順路が定められておらず、展示室の閉ざされた空間と館外の自然が交錯する、鎌倉館独自の環境を生かしたユニークな展示を体験できる。建物と屋外を巡る、ひとりひとりの静かな時間をぜひ楽しみたい。
なお開催期間中2010年1月11日(月・祝)には、内藤礼氏によるアーティストトークが行われる。
※インスタレーション:現代美術の表現手法の一つ。ある空間自体を作家の意向に沿って演出、構成。鑑賞者に空間そのものを作品として鑑賞させる。
【会期】2009年11月14日(土)~2010年1月24日(日)