東京・世田谷の世田谷美術館にて、2009年7月4日(土)~8月30日(日)の期間中、「メキシコ20世紀絵画展」が開催される。
このたびの展示は、日本メキシコ交流400周年を記念し、メキシコが歩んだ「近代化への道のり」をテーマに、その複雑な歴史と密接に結びついていた、同国の絵画の展開を紹介するもの。
メキシコの近代化は、長く続いたスペイン植民地支配からの独立の後、国際社会のなかで自らのアイデンティティを再確認する過程をたどってきた。揺れ動く社会の中で描かれた数々の絵画は、人々に向けてさまざまな強いメッセージを発信するものであったという。
1910年代のメキシコ革命以降、新しくメキシコ固有の文化を創造していこうと民族性に訴える絵画が登場する一方で、国際化の中で海外の美術の動向に応えようとした、世界的な同時代性の中にある絵画も描かれた。そのような、民族性と国際性の2つの顔を持ったメキシコの絵画は、同時代の多くの芸術家に刺激を与え、また現在もなお、世界的に注目され高い評価を受けている。
今回の会場には、日本初公開となるフリーダ・カーロ《メダリオンをつけた自画像》など、メキシコ国内各地の美術館や個人が所蔵している約70点の作品が一堂に会する。それぞれの画家たちの思いが込められた渾身の1枚と向き合い、激動の歴史の中で美術の果たした役割に注目してみたい。