京都・天王山の中腹に位置し木津・宇治・桂川の三川を望む、アサヒビール大山崎山荘美術館にて、2009年10月28日(水)~2010年1月31日(日)の期間中、アサヒビール創業120周年記念「睡蓮池のほとりにて ~モネと須田悦弘、伊藤存」展が開催される。
この展覧会は、印象派の巨匠クロード・モネと、ともに今注目を集めている2人の現代美術家・須田悦弘(1969年 山梨県生まれ)と伊藤存(1971年 大阪府生まれ)による、睡蓮をモチーフとした作品を紹介するもの。同美術館にはクロード・モネが描いた傑作『睡蓮』が5点所蔵されており、今回はそれらの名画がすべて展示される貴重な機会となる。また、このたびモネと競演する須田悦弘は、植物を木から彫り出し彩色した精緻な作品で活躍の場を広げており、伊藤存は動植物・人などをモチーフにした刺繍で人気を得ている。
会場では、三者三様の視点・手法・表現の“睡蓮”を楽しむことができる。須田の展示作品は、2002年にモネを意識しながら同美術館の展示用に制作した『睡蓮』のほか、今回は新作も登場する。そして伊藤の展示では、2009年に大山崎山荘の池を覗き込んだ際に目を惹かれたという、睡蓮の葉の重なりや池に泳ぐ巨大な草魚(そうぎょ)をモチーフにした作品に注目したい。
さらに小説家・福永信による書き下ろしエッセイが展覧会冊子に掲載され、言葉の世界が美術と連鎖し、不思議な睡蓮池の世界がもうひとつ花開くというユニークな試みも行われる予定だ。