東京・乃木坂の「ギャラリー・間(ま)」にて、2009年6月25日(木)~8月29日(土)の期間中、「カンポ・バエザの建築」が開催される。
今回の展示は、今日、最も純粋で先鋭的とされる、スペインの建築家アルベルト・カンポ・バエザ氏の建築作品を、彼の創造のプロセスに従ったインスタレーション※とともに紹介するもの。
カンポ・バエザ氏は、1946年スペイン生まれ、“More With Less”(より少ないもので、より豊かなものを)という思想を掲げ、外観は極めてシンプルな建築でありながら、内部には意図的に設けた天窓や高層窓、ガラス壁のペントハウスなどから取り込んだ、“光”に満ちた崇高な空間をつくりあげている。
会場では、カンポ・バエザ氏の膨大なスケッチブックを用いて創作されたインスタレーション“The Creation Tree”が設置され、彼の発想の源を披露。また、これまでの代表作から現在進行中の最新プロジェクトまでを紹介する、模型や映像も展示される。
そして、建築家の展覧会らしく、ギャラリー全体をダイナミックに使用した展示構成も見所。ギャラリーの中庭より会場を振り返ると、展示作品を大地や樹、池、月に見立てた、カンポ・バエザ氏独自の静謐な風景が立ち現れる構成となっており、こちらも必見だ。
なお、6月26日(金)にはカンポ・バエザ氏の初来日講演会が予定されている。
※インスタレーション:現代美術の表現手法の一つ。ある空間自体を作家の意向に沿って演出、構成。鑑賞者に空間そのものを作品として鑑賞させる。