TOP > Special > 5月特集「自分のためのセカンドカー」

 



  ロータス・エリーゼを休日の楽しみのために持っていたら、かなり豊かなカーライフを送っていると言えるだろう。エリーゼは、ボクスターのようにファーストカーにはなり得ない。大きな荷物は載らないし、乗り心地も固い。ハンドルの据え切りだって、軽くない。サイドシルが30センチぐらいあるので、乗り降りが大変だ。女性は、スカートでは乗れないのではないか。シャシーとボディがアルミでできているから、ロードノイズが籠るので、長距離は走りたくなくなる。

  でも、それらはすべて、軽く、ハンドリングを向上させるために犠牲にした結果だ。実際、エリーゼ各モデルの重量は800kg台に収まっている。ダイエットを成功させると身体が軽くなるのと同じように、軽いクルマのハンドリングがこれほどダイレクトかつシャープになるものなのか、エリーゼに乗る度に感心させられてしまう。

  地面を手の平でつかんで走るような感覚は、五感を刺激する。それほど、ピュアでストイック。ゴルフやジョギングもいいけれど、クルマの運転も立派なスポーツになることを、エリーゼは証明している。言葉の本来の意味での、”スポーツ・カー”だ。

text:HIROHISA KANEKO