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水の都コペンハーゲンに北欧デザインの源流を見る

デンマークの豊かさを感じる美しい街並

デンマークの豊かさを感じる美しい街並

Vol.1 デンマークの豊かさを感じる美しい街並

写真左手は1775年創業のロイヤルコペンハーゲンの本店。ルネッサンス様式の店舗は創業当時の建物をそのまま利用している。右隣には日本でも人気のあるカトラリーやアクセサリーで有名なジョージ・ジャンセンの本店がある。

Vol.1 デンマークの豊かさを感じる美しい街並

コペンハーゲンの街を歩くと、とにかくルネッサンス様式の旧い建物が多い。もちろん近代的な建物もあるのだが、旧い物を大切にする国民性が現われているようだ。そして、人はバスや自転車で市内を移動するのが日常のようだ。

 デンマークというと、昨年のサッカーワールドカップで日本が対戦し、日本が打ち破ったことで記憶にある人がいるかもしれないが、この国は九州と同程度の面積しかない、人口500万人の北の小国である。しかし、かつては「北欧の盟主」としてノルウェーとスウェーデンを併合したほどの強大な国力を誇っていた。現在は世界有数の福祉大国として知られ、「世界で一番幸せな国」と言われている。この評価は2010年「フォーブス」誌にある団体の調査が掲載されたものだが、その指標は国内総生産(GDP)の順位などによるものではなく、教育や医療、福祉、女性の社会進出など様々な項目を踏まえて幸福度を測っている。その評価で北欧諸国は軒並み上位に進出し、日本はこれまで過去の評価でも、ベストテンどころか70位~90位という低迷ぶりを示している。デンマークの豊かな生活の基礎となるのは、北海油田などの資源と、コンパクトな人口ゆえなのだが、現在はエコロジー大国としても先進国となっており、学ぶべきところが多い国であった。

 

 この国を訪れると、まず気になったのが王家の施設が街中に自然に溶け込んでいること。もちろん警備はなされているのだが、さりげなく玄関付近に衛兵がいる程度。在住する日本人に聞くと、デンマーク国民と王家の距離は非常に近く、様々な式典や美術展などに少数のお付きの方とともに頻繁に現われるという。とても治安の良い国なのだなあという印象が強い街であった。その豊かな国力は街中でも十分に感じられ、ブランドショップの本店が立ち並ぶストロイエには、品の良いご婦人たちが高価な食器やアクセサリーを選ぶ姿が多く見られる。コペンハーゲンにはヨーロッパ諸国から来る観光客は少しは見られるものの、外国人がほとんど見られないのが不思議であった。それはデンマークという国には世界一厳しい移民法があり、デンマーク人は国の90%以上を占めるという単一民族国家となっているせいもあるのだろう。世界一幸福な国は、また世界有数の税金の高さもあり、大学までの教育費や医療費も無料であるなど、その秩序を守るためには、移民に対して制限を加えることも必要なのだということだ。

 

協力:スカンジナビア政府観光局 Photo&Text Takamasa Wada

 

Vol.2 デザイン大国であるデンマークの魅力を楽しむ

 

デザイン大国であるデンマークの魅力を楽しむ

 

PHOTO GALLERY | 水の都コペンハーゲンに北欧デザインの源流を見る

デンマークの豊かさを感じる美しい街並
デンマークの豊かさを感じる美しい街並
デンマークの豊かさを感じる美しい街並
デンマークの豊かさを感じる美しい街並
デンマークの豊かさを感じる美しい街並
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デンマークの豊かさを感じる美しい街並
デンマークの豊かさを感じる美しい街並

和田隆昌

ライター・エディター
アウトドア系の雑誌社に入り、いくつかの編集長を経験した後、昨年までラグジュアリー系の会員誌の編集を約5年間務める。船、高級外車、不動産、投資などの記事を得意とする。プライベートではカヤック、山岳スキーなども行なうアウトドア志向である。アウトドアの知識を活かして防災士の資格を取得後、災害危機管理アドバイザーの肩書きを持ち、著作多数。防災関連では講演、TV、ラジオなどの出演も多い。