プロが教える、セルフケア
鞄職人歴60年以上という植村さんに、鞄と長く付き合うために気をつけるポイントを聞いた。
「革の鞄は雨なんかで濡れたら、必ず陰干し。金属のチャックは定期的にオイルをさしてやってね。」
さらに購入時にも気をつけるべき点があるという。それはモノの溢れるこの時代に生きる我々にとって、肝に銘じておくべきことであった。
「まずその鞄の欠点を知ること。知っておけば、付き合い方も変わってくるでしょう。今はデザイン重視で土台がデタラメで、修理さえできないものが多くてね。鞄を次々買う人ほど、欠点の多い鞄を持っている人なんだよ。」
何十年も鞄を通し、時代を見つめてきた植村さんの、厳しくも説得力のある言葉である。
植村美千男 プロフィール
1934年兵庫県生まれ。鞄製作に携わっていた父のもと、15歳から鞄の製作をはじめ、マスミ鞄嚢株式会社を設立。以後オリンピックで使用されたホイッスル用鞄や天皇陛下の旅行用鞄など、のべ30万個以上の鞄を製作する。現在は同社の取締役会長、豊岡鞄協会会長を務める。また1993年より宵田商店街(現カバンストリート)に「職人 植村美千男のかばん修理工房」をオープンし、5年目を迎える現在も全国からの修理が殺到する。
1934年兵庫県生まれ。鞄製作に携わっていた父のもと、15歳から鞄の製作をはじめ、マスミ鞄嚢株式会社を設立。以後オリンピックで使用されたホイッスル用鞄や天皇陛下の旅行用鞄など、のべ30万個以上の鞄を製作する。現在は同社の取締役会長、豊岡鞄協会会長を務める。また1993年より宵田商店街(現カバンストリート)に「職人 植村美千男のかばん修理工房」をオープンし、5年目を迎える現在も全国からの修理が殺到する。