TOP > Special > 5月特集「自分のためのセカンドカー」




 
  セカンドカーはファーストカーとは、全く違う性質を持ったクルマがいいですね。たとえば、一台目が国産車なら、二台目は外車にしてみたり、大きな車を持っていたら、小さな車にしてみたり。それで使いわけてみるんです。


  セカンドカーを持つということは、ライフスタイルを広げるということです。クルマは特に好きではなくても、ちゃんとしたものに乗りたいとか、用途に合わせて乗り分けたいと思う人は、精神的にすごく豊かな人だと思いますね。いわゆるクルマ好きのマニアの方とはその価値観が違うんです。カーマニアはクルマ自体を大切にしますが、ライフスタイルでセカンドカーを選ぶ人って、クルマに乗ってどこに行くのかということを大切にするんです。
  感受性や知的な好奇心が強い方が多いと思います。クルマで出かけた先においしいレストランがあって、その店の人といろいろな話をして「またきますよ」ということになったり、すばらしい景色があれば家に帰ってから、何というところであったか調べたり。そうして趣味がどんどん深まったり、暮らしが広がったりするんですよね。クルマとはそういった体験をサポートしてくれるものだと思います。違うクルマに乗ることで気持ちが切り替わると同時に、普段感じなかった新しい刺激に触れることもできます。たとえばオープンカーなどに乗れば、季節に対して敏感になれますよね。空気を肌で直接感じて季節を先取りできます。四季の移り変わりを感じることは、クルマのことだけを考えていたらできないことです。




  おそらくFERICのユーザー方であれば、次のライフステージのことも考えているのではないでしょうか。オフを充実させようという情熱をお持ちの方が多いと思います。そういう方にこそ、セカンドカーという選択をおすすめしたいですね。僕が常々思っているのは、クルマは自分の精神と肉体を拡大させてくれるものだということ。   人間一日あるいても40キロ程度で、走るにしてもそんなに荷物を運ぶことはできませんが、クルマであれば400~1000キロの移動と、ものを運ぶ手段になります。セカンドカーを買うことは誰でもできます。しかし二台を有効に乗ることのできるライフスタイルを送れているかがそこで問われるんです。むしろそのことが大切なのですから。クルマの先にあるライフスタイルを考えるのが楽しくなりますよね。



Car Concierge 金子浩久 -Hirohisa Kaneko-
モータリングライター。1961年東京生まれ。自動車と自動車にかかわる人間についての雑誌記事や単行本を執筆している。主な著書に、『10年10万キロストーリー』(1~4)、『セナと日本人』、『地球自動車旅行』、、『レクサスのジレンマ』、『力説自動車』などがある。2007年8月には、「トランスシベリア > 2007」ラリーにポルシェ・カイエンで参加し、モスクワからモンゴル・ウランバートルまで完走。総合12位、クラス9位に入賞。
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