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香りを味わうチョコレート ― チョコレートコスモス ―


  日常の中で“花”(植物でもいいですが)を意識する事はどのくらいあるでしょうか。多分、見過ごされがちな存在ですが“生きている”からこそ、そのパワーは絶大です。1輪でも、飾ったり贈ったりされれば、その素晴らしさを感じて頂けるはずです。

  人の三大欲は満たされたいもの。花もそんな欲まで満たしてくれたら+αで、ますます楽しくなってしまいますね。

チョコレートコスモス  初回でもありますので、秋ということもあり食欲まで楽しませてくれる一名花――その名も、チョコレートコスモスです。

  儚い姿に反して引き締まったチョコレート色、その上チョコレートの香りまで漂わすユニークな花です。種類もストロベリー、ワイン、カカオ、ビターといった具合に絶妙な色が揃っています。

チョコレートコスモス

  食の秋――チョコレートをプレゼントするのに、甘い香りのチョコレートコスモスが添えられていたら、それだけで芸術の秋ですね。

  立ち姿はとても繊細で、花の顔にしても茎のラインにしても一本一本表情がとても豊か。

  そんな一輪一輪を引き立たせたいとシャンパングラスに生けてみたら、とてもいい雰囲気になりました。この花は、控えめなのがいい……そっとテーブルの上に飾り、秋の夜長を楽しむのも乙なものです。

チョコレートコスモス   チョコレートコスモス

  “花”というと何か特別なイメージを持ちがちですが、ほんの心ばかりから喜び・お祝い・お悔やみと全ての気持ちを託す事ができるのだと思います。そして何より、五感全てを全開させて楽しんで頂きたい。それだけで、心もリフレッシュしてしまいます。

  先日、ご夫婦で来られた方が店内を楽しそうに一回りされ、奥様が選ばれた数本の花を買っていかれました。温かな生活観を感じ、こちらまで豊かな気持ちを頂きました。また、店で少しお待ちいただいているとき、“あぁここは心が和むわ”と言って頂くことが多くあります。一輪の花で笑顔になることができる。花にはそんなパワーがあります。それは“花”も生きていて、同じ呼吸をしているからなのでしょう。

  まずはこの秋、チョコレートの香りを味わってみられてはいかがでしょうか。
Fashion Concierge 記事
国内外を問わず活躍するフラワーアーティスト。2006年にはInternational Annual of Floral Art 0506(国際フローラルアート年鑑)ベルギーにて、世界各国の選りすぐりのフラワーアーティストが出品する中、最優秀賞であるゴールデン・リーフ賞を受賞するなど、花の一瞬の美しさを見極め、日本独自の美意識を取り入れた作品が国内だけでなく海外でも評価され、数々のタイトルを獲得。自身のフラワーショップのある三重県菰野町と東京で花教室を主催するかたわら、TV出演や個展開催、2008年秋にはベルギーのStichting Kunstboek社より写真集を出版するなど、その活躍の場を広げている。

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