これはオブジェ? いや、実はハンガーである。その名はアナトミーハンガー。ハンガーのカタチをしていないじゃないかって? いえいえ、このデザインは斬新さを追求しただけでなく、人体工学に基づいて形作られているので、お気に入りの洋服をしっかと受け止めてくれるのです。
手の平にちょこんと乗せられるほどのアナトミーハンガー。デザインイメージは“土の中から発掘した遺物”である。このユニークなハンガーは、ファッションブランド「DEVOA(デヴォア)」のデザイナー西田大介氏と、ハンガーのスペシャリスト「中田工芸」により共同開発されたものだ。
西田氏は元レスリング選手であり、スポーツ医学や人体工学、解剖学を学んだメディカルトレーナーの経験をもつという異色のデザイナーである。「DEVOA」は西田氏の知識や経験から導き出した、体の可動域や筋肉や骨格などの人体構造をふまえ、衣服に表現。その着心地の良さはもちろん、シルエットや縫製の美しさで多くのファンを魅了しているブランドだ。アナトミーハンガーは、そんな「DEVOA」のこだわりの詰まった洋服を、より美しくディスプレイしたいという西田氏の思いから構想された。
気になるところは、肩のバーがないことでハンガーとして問題はないか、という点。シワを嫌うようなデリケートなスーツにはおすすめしないが、掛けることによって生まれるシワは人間の体に沿うようなごく自然なもの。カジュアルなジャケットやTシャツは、従来のハンガーよりも簡単に掛けられる。いや、受け止めてくれるとしたほうが適当な表現かもしれない。
コロンとした丸みのあるデザインは、背面の首筋から両肩に向かって張り出す筋肉“僧帽筋”にあたる部分が衣服の重心であり、ここをさえカバーしたハンガーならば、衣類を問題なく掛けられると考案された形。その特異な意匠を具現化するため、西田氏は多くのアパレルブランドのハンガーを手掛けてきた「中田工芸」に、自らデザインを紙粘土に落とし込み、持ち込んだ。ひとつの木材からその微妙なカーブを削り出すのは、「中田工芸」の熟練した職人技をもってしても、苦戦を強いられ、試行錯誤の末に誕生したという。
そして、このアナトミーハンガーはひとつひとつが職人による手作り。丁寧に磨き上げられたやさしい肌触りのブナ材の表面には、デザインイメージを彷彿とさせる凸凹としたプリントが不規則に施され、古代遺跡から発掘した出土品のようである。その独特の形状と手触りは、使えば使うほど愛着が沸きそうだ。
この世にも不思議なハンガーを、あなたも一度体感してみてはいかがだろう。
【NAKATA HANGER×DEVOA(ナカタハンガー×デヴォア) アナトミーハンガー 商品詳細】
ワイヤー仕様(ブラウンAH-01/BR、ブラックAH-01/BK)
ワイヤー仕様/¥13,650(税込)
フック仕様(ブラウンAH-02/BR、ブラックAH-02/BK)
フック仕様/¥10,500(税込)
【問い合わせ先】
中田工芸株式会社 東京ショールーム
東京都港区南青山1-1-1 青山ツインタワー西館1F 青山一丁目駅直結
Tel:03-6423-1222
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